子どものコース
子どものコースでは、子どもたちはバーチャルな船旅に出発します。船に乗り込み、ほかの子どもたちと協力しながらいろいろな島を旅し、それぞれの島で、てんかんに関する多くのことを遊びながら発見します。船旅のあとには、famosesの船長免許証(終了証書)をもらうことができます。
はじめに
子どもコースは、てんかんという病気と出会い、向き合うことを伝える7つのテーマで成り立っています。そこでは、てんかんの知識を得るだけではなく、考え方や決まりごと、振る舞いについて話し合います。コースのプログラムは個別的な学習能力を考慮して、内容や学習テンポを柔軟に子どものグループに合わせます。
港
〈出会いと旅立ち〉
子どもたちがてんかんのある仲間と出会い、てんかんをめぐる発見の旅に出かけます。お互いのてんかんの経験を話します。
- 出会い
- 旅のしたく
- てんかんという病気
- 旅のルート
岩の島
〈君と君のてんかん〉
てんかんは頻度の高い疾患であること、てんかんゆえの制約があること、それらに結びついた感情を表現すること、そして困難な状況での解決の見つけ方を学びます。
- てんかんの定義と頻度
- てんかんの影響
- 発作の決まりごと
- 解決法を見つけよう
火山の島
〈てんかんって何?〉
自分の病気であるてんかんについての知識を深めます。病気の原因や誘因、発作の際に脳に生じていること、さまざまな発作型があることを学びます。
- 脳への旅
- 発作のとき、どうなる?
- 発作の種類
- てんかんの原因
宝の島
〈てんかんを探そう〉
診断のために、自分・家族・医師の役割があること、またさまざまな検査法について学びます。実際に宝探しゲームをしながら、“診断はチームで協力しながら探究すること”を学習します。
- 発作の体験
- 発作の観察
- 医師の診察
きのこの島
〈てんかんをどう良くする?〉
さまざまな治療法とその効能(特に薬物)を知り、理解します。自分の治療の目標を立てることや、病気の自己管理について学びます。
- 治療の目標
- 薬による治療
- 薬の通る道
- 他の治療法
- 自分に何ができるか
休暇の島
〈てんかんについて話そう〉
てんかんについてどう語るか、他の人の支援を求める場合にどのような情報が大切かを学びます。
- てんかんについての経験
- てんかんについて説明する
- 発作について伝える
灯台
〈てんかんについての新しい発見〉
これまでに学んだことを振り返り、まとめます。個人的な「ネットワーク」をつくります。
- おさらい
- 船長免許証
- てんかんの案内板
親と家族のコース
親と家族のコースは、テキストに基づいて、てんかんに関する基礎知識、診断、治療、予後と発達、病気との向き合い方などについて学習します。子どものコースと並行して行われ、学ぶ内容も対応しています。子どもさんが何らかの事情でプログラムに参加できないご家族の方も参加することができます。ただ知識を深めるだけでなく、考え方 を振り返り、子どもさんの自立への扉を開き、日常のなかで病気と向き合い、より良い支援ができるようになることが目的です。
はじめに
親のコースは6つの章で成り立っています。内容の半分は医学的な側面を扱い、半分は心理社会的な側面に重点を置いています。
出会い
てんかんをテーマとした考え方や感情を表現し、てんかんとの関わりについて考えます。子どもの病気に対する個人的な反応が、famosesの重要なテーマであることを学びます。
基礎知識
てんかんは頻度の高い疾患であること、原因、誘因、脳に生じていることを学びます。さまざまな発作型があることを知り、合理的な介助法について理解を深めます。
診断
てんかんの診断に至る過程では、親と子どもと医師の円滑な協働作業を必要とします。この過程で親が果たすべき役割について学びます。診断の手順を理解し、発作の観察と記述、そして治療経過の記録が出来るようになります。
治療
治療の過程において積極的な役割を果たし、治療目標を設定することを学びます。薬物治療やその他の治療法に関する知識を整理します。薬の服用の意味、難しい治療状況に向き合う子どもをどう導いたらよいか、日常生活のなかでどう発作を予防できるか、などについて話し合います。
予後と発達
てんかんのさまざまな経過や、てんかんが運動発達や認知発達におよぼす影響、支援の可能性について学びます。
てんかんとともに生きる
家庭のなかでてんかんにどう向き合うか、病気という制約のなかでどう養育するか、社会的な援助を受け入れることについて学びます。日常生活をできるかぎり通常のものにするために、どのように過剰な制約を避け、病気のある子どもの自立を支えるかが重要です。